読譜に挑戦 6.音階 ードレミのシステムー

ご無沙汰しています。モリスラです。

 

音にドレミファソラシドという名前をつけて、扱いやすく、音の名前で歌うことを可能にしたのは、このブログの1.音名で紹介したグイード・ダレッツォさんの功績でした。

ですがそれ以前から、というかずーーーっと前から「ドレミファソラシド」という音のシステム自体は存在していたのです。

クラシックから、ジャズ、ロック、ポップス、その他多くのジャンルに至るまで、現在も共通してこのシステムは使われています。

そもそもは無限に存在するはずの音の高さから、音を選び取り、音楽を造るために並べられたこのドレミファソラシドの音たち。その起源は、古代ギリシアにまでさかのぼります。
あの有名な数学者ピタゴラスも関わっているんですよ。

また、このシステムはこれまたブログの1.音名で触れた、楽譜には書き込まれない暗黙の了解の一つであると言えます。現在の楽譜がこのシステムを前提として成り立っているからです。音楽を楽しんでいる方々には感覚的に分かっていることも多いでしょうが、今回のブログでその中身を紐解いて、よりクリアにしていけるのではないかと思います。

数学や物理学も密接に関わって形成されてきたこのシステム、掘り下げたら語り尽くせないほどの深いテーマでもあるので、今回は楽譜を読む上でわかっておきたいことに、なるべく絞って書こうと思います。笑

今回のテーマはドレミのシステムと言える「音階」についてです。

音階は、これから「調」や「ハーモニー(コード)」の話をする上でも避けては通れない話なのでぜひ頑張って理解を深めていきましょう。

 

 

さて、突然ですが鍵盤を観察してみてください。

以前のブログで、鍵盤の並びというのは音楽を理解する上でとても便利だとお話ししました。
ピアノの鍵盤をまじまじと観察したこと、あるでしょうか。
鍵盤楽器に馴染みがない方もいると思うので、ドレミの位置を振っておきました。

白い鍵盤、黒い鍵盤をそのまま白鍵、黒鍵といいますが、その配置のされ方には特徴がありますね。

今日、私達が広く共通に認識している音楽では、まずオクターブまでの音の高さを12の音に均等に分割してあります。(ドからその1オクターブ上のドまでのあいだに白鍵黒鍵合わせて12個鍵盤があるのがお分かりいただけると思います。)

そして、その12の音から、ドレミファソラシという7つの音を選び出したもの、これが音階です。

 

乱暴に言えば、だいたいの曲はこの白い鍵盤の7つの音さえあればちゃんと曲として弾けます。

黒鍵は?シャープは?フラットは?

まあまあ、落ち着いてください。笑

嘘を言ってるわけではないことは、次のブログまで読み進めれば分かっていただけると思います。

 

さて鍵盤に目を戻して今一度観察してみてください。

白鍵を見ると、隣り合う音のあいだに黒鍵がないところがありますよね。

そう、ミとファシとドのところです。

ミとファ、シとドの音の高さの距離は実際、他の隣り合う白鍵の音同士(たとえばドとレ)の半分しかないのです。
つまり、音の高さの幅が他より狭いということで、階段に例えればミとファ、シとドのところだけ段差が半分になっているような感じです。

この段差に差がある箇所があるということがポイントなのです。

実際の階段がこんなことだと困ってしまいますが、このことが、音楽の音の組織に非対称性を生み出して、それぞれの音にアイデンティティーを確立させ、キャラクターを生み出しているんです。

普段階段を上り下りするとき、一段一段を常に意識して数えるでしょうか。
設計や施工した方が丁寧な仕事をされているので、均等になっていて、段一つ一つのことなど意識せずに上り下りできるはずです。

もし日常の階段がすべて音階のような段差の構成になっている世界線だったらおそらく、8段で一周期する中の何段目かということが意識されるんじゃないかと思います。笑

 

そう、ドレミのそれぞれの音は平等ではないのです。

 

さて前置きがかなり長くなってしまいましたが、今回のテーマである音階を具体的に説明する前に、音階を理解する上でとても大事な全音と半音について説明します。

全音と半音 (英:whole tone/step  :  half tone/step )

 

今一度鍵盤を見てほしいのですが、ミとファ、シとドのあいだは他の隣り合う白鍵の音より狭いという話でした。

この、「2つの音の高さの距離」のことを音程というのですが、隣り合う音程でミとファのような狭い方を半音、ドとレのような広い方を全音といいます。

全音は半音2つ分の音程ということを押さえていただければ大丈夫です。

オクターブが12の半音で成り立っている(オクターブ上の音までに12個の半音がある)ことも、大事なことなので覚えておきましょう。

 

音階 (英:scale)

さて、ようやく今回のテーマに入ります。笑

冒頭でドレミのシステムそのものだと言えると説明しましたが、具体的に言えば、

音階とは、ある音から1オクターブ上の同じ音までを、一定のルールに従って階段のように高さ順にならべたものです。

音階には様々な種類があるのですが、まず理解すべき音階は2種類あります。
「長音階」「短音階」です。
(この二つ以外のものは、特殊なものや限定的な使われ方をしたりするので現段階では置いておきましょう。)

ジャズなどでは、この音階の考え方を拡張し、アドリブの実践などに様々な音階を駆使する方法論があります。それらをアヴェイラブルノートスケールと言いますが、それらはアドリブを実践するために、コードに対して利用できる音を音階にして提示した方法論なので、ここで扱う、音楽そのものの構造に関わる音階とはまた別に理解してください。

 

長音階(英:major scale)

現代の音楽において最も基本的な音階である。

音階の最初の音から、全音と半音が全全半全全全半の関係で音が並んでいる。(全音を 半音をで表しています。)

一般に、短音階に比べて明るい印象をもたれる。

 

音の下にローマ数字が振ってあり、名前が書いてあるものもありますね。
音階のそれぞれの音には性質や役割のようなものがあると言いました。

音階の何番目の音かということが重要なので、慣例的にローマ数字でそれを表記します。

名前は全ての音に一応はあるのですが、覚えるべき重要なものだけ書きました。
名前を書いてない音は音階の何番目の音なのかということが分かっていれば十分です。

<音階の特に重要な音>

主音(英:tonic) 音階の中心であり最初の音。安定感があり、音楽の流れの中でこの音に戻ろうとするような力が働く。

属音(英:dominant)主音から上に数えて5番目の音。

下属音(英:subdominant)主音から下に数えて5番目の音。

導音(英:leading note)音階の7番目の音で、この音は主音へ半音上がって落ち着きたい、というような性質があるため、主音へ導く音ということでこの名前がついている。

 

上に示した例はドの音から音階を並べていますが、他の音から長音階を並べるとどうなるのか・・・

もちろんどの音からでも音階を並べることができますが、結論から言うと黒鍵、つまりシャープやフラットといったものが出てきます。

なので、まずは音階の並びの理解を深めるためにも、わかりやすく、視覚的にも理解の助けになる白鍵の音だけで表せられる、ドを主音とする長音階を基準とします。

別の音を主音をした場合どうなるかということは、次回「調」についてのブログで説明します。

音階と調は密接に関連している事柄なので今回と次回のブログは何度か往復することをオススメします。

短音階(英:minor scale)

長音階と違い、三種類の音階がある。

一般に、長音階に比べ暗い印象をもたれる。

 

まずは基本の自然短音階(英:natural minor scale)から。

主音から全音と半音が全半全全半全全と並ぶ。

白鍵だけで表せる短音階はラから並べた短音階。

三種類あると言いましたが、まずは自然短音階を把握できればよく、
短音階は第7音と第6音が半音上げられることがある、くらいに思っておけば良いかと思います。

ここで注目していただきたいのは、第7音と主音の関係が全音になっていることです。
上に青字で書いてありますが、自然短音階には導音はありません。これは、主音へと導く性質は第7音が主音の半音下の音になっている時にのみ強く現れるものだからです。

 

以下は他の二種類の短音階の説明です。

導音の役割は、とりわけハーモニーを形成する中で重要なので、第7音を半音上げて導音とした、和声短音階(和声とはハーモニーを意味する)があります。

さらに、第7音を半音上げたことで、第6音からの距離がファとソの全音+半音となり、他のどの隣り合う音階の音よりも遠くなってしまう事から、メロディー(旋律)にこれを使うと違和感を感じる場合もあるということで、第6音も半音上げることでその解決を図った、旋律短音階があります。

導音はそもそもは上がって主音に到達する時にその役割があるわけで、メロディが主音から降りてくる時は半音上げる必要がないので、第7音、第6音ともに本来の自然短音階に戻すといったような仕組みで、旋律短音階には上行形と下行形が存在するのです。

以上の理由で短音階にはそのヴァリエーションが3つあるのです。

<階名と音名、移動ドと固定ドにまつわるあれこれ>

ところで上の音階の図なのですが、なぜドやラの音ではなくハ音を主音とする長音階、イ音を主音とする短音階のように書いているのでしょうか。

 

これには混乱を招く事情が絡んでいるのです。

 

実は、ドレミファソラシドというのは元来は音階の何番目の音かということを表す呼び方だったのです。

この、音階の(何番目の音かという)音の名前を表すものを階名と言います。

 

ところがその後、国によってはドレミファソラシドを音自体の名前(絶対的な音高)を表すために使うことが定着したりしました。

この、音自体の絶対的な高さの名前を表すものを音名と言います。

 

現在でもドレミを階名として使うか音名として使うかが、国によって分かれていますが、日本は現場によって両方の使い方をするのです。(これがややこしい笑)

階名として使われるドレミを移動ドといい、音名として使われるドレミを固定ドと呼びます。

 

このブログではドレミは基本的に固定ドとして扱います。

 

日本ではこのような事情があるため、音名を表す場合には、ハニホヘトイロの和名やCDEFGABの英名やドイツ音名を用いている表現が多いです。

 

さて、音階について重要なことをまとめましょう。

  • 長音階(メジャースケール)は主音から全全半全全全半の並び。
  • 短音階(マイナースケール)は主音から全半全全半全全の並び。
  • 白鍵だけで表せる基本的な音階は、長音階はドを主音とし、短音階はラを主音とする。
  • 短音階は場合によって第7音が半音上げられたり、それとともに第6音も半音上げられたものもあり、三種類ある。

 

いかがだったでしょうか。

音階自体の構造を音楽をしているときに強く意識するということはあまり無いかもしれませんが、調、音程、コードなど、この先音楽に関するあらゆることを理解するために、まずよく知っておかなければならないものです。

また、音感とも密接に関わっています。

いわゆる、音痴であるといった状態は、まず第一に、音階それぞれの音の距離感が掴めていないということがほとんどです。

絶対音感は幼少期を過ぎると身に付けるのは難しいと言われていますが、相対音感はいつでも訓練で精度を上げていけると言われています。

絶対音感とは、「音の絶対的な高さ」と「その音名」をリンクさせて、永久記憶として持っている状態をいいます。
相対音感とは、ある音からある音までの距離感を正確に理解している状態です。

音楽をする上で、いつだって役に立つ音感はむしろ相対音感で、
この、音階のそれぞれの音と音の距離感をしっかりと把握することこそ、相対音感の根幹です。

音感を鍛えたいと思う方は音階を上がったり、下がったり、ある音からある音へ跳躍したりということを、ピアノなどをガイドにしながらドレミで歌うことを繰り返すと、だんだんと音階のそれぞれの音の距離感が掴めてきて良い効果を生みますよ。

 

 

それではまた。

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