読譜に挑戦 5.タイ、連符、強起と弱起 —リズムに関するあれこれ—

こんにちは、モリスラです。

 

前々回前回と、楽譜での時間の取り扱い方、リズムや拍子について見てきました。

今回は前回、前々回で扱いきれなかった音楽・楽譜のなかで起こるリズムに関するその他のことです。

今回で楽譜に表記されるリズムに関することはだいたい網羅できると思います。

 

タイ  英:tie

 

Bolero

:M. Ravel

 

もうすでに以前のブログの譜例にもしれっと登場してしまっているのですが、タイは英語のtieで文字通り、音と音を結びつけて合わせた長さにする記号です

結びつけられた音を足した音の長さになるので、例えばピアノなら結びつけられた音符のところで鍵盤を押しなおしたりしません。

わかりやすいように上の譜例の赤くした線がタイなのですが、黒いままの線で似たようなものがありますよね。

この楽譜の黒いままの線はスラー(英:Slur)といってタイとは別物です。

スラーは旋律のまとまりを表記したり、音同士を滑らかに聞こえるように演奏したりするよう指示する記号で、表現や奏法に関わってくる記号なので、今回は扱いません。

これらは紛らわしいですが、慣れれば簡単に見分けられます。

タイは、必ず連続した同じ高さの音につけられます。

そして、タイは必ず音符の頭(符頭)の部分どうしを結びます。

この楽譜の最初のスラーは冒頭のドの音と2小節目のあたまのドの音を結んでいるように見えますが、同じ音ではありますがこの二つの音は連続していないため、これはタイではなくスラーです。

 

 連符 英:tuplet

前々回の記事で音符と休符の音価を見ていきましたが、表を見てもらうと分かる通り、音価の分割は2分の1か2倍によって成り立っていることが理解してもらえると思います。

では3分割やその他の任意の数にリズムを分割する場合はどうなるのでしょうか。

その場合に使われるのが「連符」です。

その数によって3連符(英:triplet)、5連符(quintuplet)、6連符(sextuplet)、18連符などのように言います。

 

例えばこのように音符や休符の上にまとめられる音符の数が書かれ、それらを特定の拍のなかに収めるように演奏します。

連符に使用される音符の音価は、連符でまとめられる音符の音価を足したときに、本来の拍の長さより多くなる、最小の音価の音符で書かれます

最初の三連符を見てみると、4分音符1個分を三分割するわけですから、8分音符で書かれています。これを16分音符で書くと、3つ足しても4分音符一つ分の長さに足りず、4分音符で書くと3拍分の長さになってしまい余りすぎてしまいます。同様に、譜例の5連符も4分音符一個分を5分割するため、16分音符で書かれていることがわかると思います。

このルールから、譜例の2つ目の3連符は2拍分を3分割する連符であると分かるでしょう。これは「2拍3連」などと呼ばれます。

 

また、前回の記事で複合拍子では1拍のリズムが3つに分割されると言いました。

そのため、1拍の音符には付点音符が用いられますが、これを今度は2つや4つのリズムに分割する場合にも連符が使われることがあります。

上の譜例の1〜3のリズムはどれも同じ意味です。

付点8分音符で表記されることもありますし、連符で表記されることもあります。

連符で表記する場合、その音価は上で説明した法則から言えば2のように表記されるはずですが、実際の譜例では3のように表記されることも多いです。これはおそらく見やすさからでしょう。

 

ドビュッシー:

月の光 より

 

この曲は9/8拍子ですが、このように2連符が使われてますね。

あまり見かけることはないと思いますが、この2連符や4連符などの偶数の連符は、複合拍子でなくとも、3拍や5拍などの奇数分の拍を偶数のリズムに分割する際などにも使用されます。

 

 強起と弱起

メロディが拍子の1拍目からはじまる場合、それを「強起」といいます。

それ以外の場合「弱起」といいます。

前回も登場の「威風堂々」のメロディですが、これは強起の例ですね。

これも前回登場の「蛍の光」のメロディですが、これは弱起の例です

弱起の曲の冒頭は、この蛍の光の例のように本来の拍子の拍の数を満たしていない小節で始まっていることが多いです。これを不完全小節といいます。

不完全小節は小節を数えるときに原則的にカウントしませんので、バンドなどで「○○小節目から合わせよう。」などというときは注意するといいかもしれません。

不完全小節で始まっている曲は、曲の最後の小節で冒頭の不完全小節で表記された拍の分を引いて書かれる(最初の小節と最後の小節を足して1小節分になる)ことが多いですが、そうでなく完全小節で終わっている曲もあります。

弱起の部分をドイツ語でアウフタクト、英語でpickup、フランス語でアナクルーズ、などと言ったりします。

弱起の曲を誰かと合わせるときなどは、「48小節目のアウフタクトから。」のようによく言いますので、覚えておくと良いでしょう。

 

 

 

それではまた。

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