吉報か?幹細胞移植でHIV感染症完治!?

今ではゲイのみならず、全ての人類にとって脅威であるHIV。効果的な治療法が確立されて久しいが、完治できるのかというと、そうではないのが現状だ。そんな状況の中、2019年3月5日、イギリスの科学誌ネイチャーに、HIVが検出されなくなった患者の情報が発表されたとのこと。その報を読み進めると、前回、だいぶ前のことではあるが、同じ様な状況下において、似たような治療法で主目的とは別で完治をみた例と似ている。

それがどの様な例であるかを簡単に述べると、二例とも、造血幹細胞移植を受けたものであるというこだ。今回の報告でわかったことは、HIVに感染している患者がホジキンリンパ腫(血液がんの一種)になってしまい、その治療で造血幹細胞移植を導入したということだ。前回の完治例と酷似しているのは確かである。この患者は移植後、18ヶ月を経過した今も、HIVが検出されてないという。今回の例も同様、ドナーの遺伝子が鍵を握っていることがわかった。

今回の患者に移植された、ドナーの特徴として注目するのが、とある遺伝子だ。それはどの様な遺伝子かというと、CCR5-Δ32というという特殊な変異型の遺伝子である。元々はCCR5という、βケモカイン受容体ファミリーというものに属する遺伝子なのだが、HIVはこれを介して感染の地図を拡げていく。(*このCCR5の正確な役割そのものはわかってはいないが、HIVはこの遺伝子を感染の最初の足がかりとして利用していることはわかっている。)

ところがである。このCCR5の変異型であるCCR5-Δ32の遺伝子を持つ人間は、HIV-1型に対してだが、ウイルスの侵入を防ぐことが知られている。しかし、この特殊とでもいうべき型のCCR5-Δ32を持っているのはヨーロッパ人の中でも約1%もいるかいないかのレベルで、その他の人種では、ほぼほぼ期待できないということだ。

おそらく移植後、このドナーが持っていたCCR5-Δ32が、何らかの作用で効果を発揮した、もしくはCCR5が変異し、移植された患者の体内でCCR5-Δ32に置き換わったのだろうかと個人的には推察するが、研究者の間ではまだ断定に至っていないようなので、今後の発表が待たれるところである。いずれにせよ、人類にとって吉報である一例というのは間違いないであろう。

実はこのCCR5-Δ32、一方で、西ナイル熱に感染しやすいとのことでなんだかなぁと思うところが正直なところだ。造血幹細胞移植というものは全ての人間に等しく漏れ無くという代物ではないところも厄介なところではあるが、今後の研究で、是非、風穴を開けて欲しい。

最近では、PEP(曝露後予防内服)やPrEP(曝露前予防内服)等の導入で、高確率で事前に感染を防げる仕組みも出てきたが、我々バイやゲイの中ではコンドームを使用したSEX,性行為を好まない層も一定数いるのが現状だ。如何に感染を防ぐかは人類にとってはもちろん、個人レベルでも至上命題である。それを踏まえた上で、後々後悔しないためにはやはり、セーファーセックスは大事なことであるように思う。セーファーセックスは、少しでも多くの笑顔を守っていくという意味合いでも、周りにその恩恵がもたらされるのは間違いない。定期的な検査もやはり重要である。

いずれにせよ、我々は常に様々なウイルスとの戦いを有史以前から繰り広げている。今回のこのHIVに関しても、治療法や研究は日々進歩している。この感染症の完治が見込める治療法が確立される日もそう遠くないのではなかろうか。少しでも早く確立されることを願ってやまない。

以上、sister.shikueでした。それではまた。

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